素数が無限に存在することの証明 (1)

素数とは、1より大きい自然数で、1と自分自身以外に約数を持たないもののこと。具体的には、2, 3, 5, 7, 11, 13, 17, 19, 23, \ldotsが素数である。
素数が無限に多く存在することはよく知られていて、たくさんの証明がなされている。それらのいくつかについて書いていきたい。
まずは最もよく引用される、ユークリッドの証明から。

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πが無理数であることの証明

ネイピア数(自然対数の底) e に続いて、今度は円周率 \pi が無理数であることの証明。Wikipediaによると、初めて厳密に証明したのはルジャンドルで、1794年のことだった。初等的な微分積分のみを用いた証明はイヴァン・ニーベンが1947年に与えている。e よりずっと難しい。 続きを読む

東野圭吾「天空の蜂」のメッセージ

東野圭吾の小説の大ファンである。倫理観をゆさぶられるようなテーマ、予想もつかない展開、クリアな文体。数え間違っていなければ、本として出ている東野作品は今日現在で長編・短編集・エッセイ集・絵本を合わせて85作あるのだが、あと10数作で全部読了というところまできた。

先日、「天空の蜂」を読んだ。1995年刊。19年前の作品である。 続きを読む

特殊相対性理論(2) 光の伝わり方

アポロ11号の月面着陸(1969年)は、子供のころに大きなインパクトを受けたできごとの1つだった。

その時に知ったことの1つが、宇宙空間では音が聞こえないということ。真空では空気や水のような音を伝える媒質がないから聞こえない。宇宙戦艦ヤマトなどのアニメでは宇宙での戦いで戦闘機がドカーンと派手な音をさせて爆発していたが、実際には音は聞こえないはず(ついでに言うと、まわりに空気がないから爆発のしかたもああいう感じにはならないと思う)。 続きを読む

eとその有理数乗(0乗を除く)が無理数であることの証明

ネイピア数(自然対数の底) e と円周率 \pi はともに、無理数でありさらに超越数であることが知られている。

  • 無理数: 有理数(分母・分子がともに整数である分数で表せる数)でない実数
  • 超越数: 有理数係数の代数方程式
    a_n x^n + a_{n-1}x^{n-1}+\cdots+a_0 = 0
    の解とならない複素数(「有理数係数」は「整数係数」としても同じ)

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それは何の役に立つの? (1)

科学の話、たとえば宇宙のなりたちとか、物質の構成とか、エネルギーとかエントロピーとか、量子力学とか、相対性理論とか、数学の定理とか、そういう話を、普段そういうことになじんでいないと思われる人にすると、決まってされる質問がある。

「それは何の役に立つの?」
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特殊相対性理論(1) ことはじめ

子供の頃から科学が好きで、科学に関する本をよく読み、科学者に憧れていた。

好きな科学者、興味を引かれた話を挙げていけばきりがないが、その中でも特に衝撃だったものの1つは、小学生の時に何かの読み物で読んだ「高速で動く物体では時間の進み方が遅くなる。そして長さが縮み、質量が大きくなる」という、アインシュタインの相対性理論(今考えると、その中でも主に特殊相対性理論)だった。「そんなSFみたいなことが本当にあるのか?」「なぜそんなことがわかるのだろう?」「それを発見したアインシュタインという人はどんな人なのだろう?」ということに強い興味が湧いた。 続きを読む